職人の手作り茶筒の工程〜昔ながらの製法にこだわった、作業工程をご紹介〜

作業工程イメージムービー 職人の作業工程アニメーションをご覧になれます。

(1)材料切り

缶のサイズに合わせて、糊代の線を一度に30個位まとめて引きます。糊代は缶の大きさに応じて7種類。機械と違い、力がはいったり抜けたりするので100 パーセント同じ幅に引くのはとても難しい。作りたい長さにガイドを合わせて切断します。次に本体部分と蓋部分に後でわかるように番号を書いてから切断する。切断面は片側がつるっとして、もう片方が返りになって反っているので、切断時の歪みを木槌でたたいて直してから、「キサギ」と呼ばれる三味線のばちのような形の鉄の刃で返りを取ります。
また材料のうちに板の重なる糊代部分を薄く擦って、さらに手触りを良くするためにその上をたたいておきます。ブリキの部分は錫メッキで、擦ったら錆びてしまうので内側から擦ります。

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(2)丸める

「三本ロール」という道具で丸めます。真円にするのが難しく、熟練された技術が必要です。裁断した材料を1枚1枚丁寧に丸めていく為、三本ロールでは量産ができません。

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(3)ハッソウではさむ

向かい合い二人で行っています。銅や蓋の部分を丸めたものを「ハッソウ」と呼ばれる開化堂で作ったクリップのようなもので糊代を止めてはさみます。これで缶の直径が決まります。手際よく同じ直径になるように正確にはさんで、木板の上に積み上げていきます。

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(4)底入れ

「ハッソウ」ではさんだ銅や蓋の繋ぎ目にハンダ付けをし、固定します。
その後、胴の底を取り付けます。底になる回りの縁を木槌で軽く叩き、底が胴から抜けないようにします。トントンとツチアゲを使って底を平均的に押し上げます。そして底の部分にハンダ付けします。

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(3)ハッソではそむ

溶剤を糊代の中側からスーと付けて外へまわします。銅でできた「鏝(こて)」を真っ赤になるまで熱します。「鏝」の種類は缶の大きさに合わせて変えていきます。110度から120度でハンダは溶けだしますが、その温度は炎の色と希塩酸を付ける時の音でだいたい判断します。温度が一定にならないと全体的にハンダが回らないし、この行程で100パーセント付いていないと全部がだめになります。また、「ハッソウ」を上手にはずさないと缶が歪んでしまいす。
※昔のハンダ付けは炭にわらを置いて、その上でクルクルクルと回して付けていた為、炭の火加減がとても難しく苦労しました。
※なまりを含んでいない、エコハンダを使用。

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(6)調子を見る

キイ(胴から内側のブリキが見えている部分)と蓋の調子を合わせて相方を決めます。胴と蓋と全部付けると、今度は中身をきっちりと合わせハンダ付けします。さらに蓋もハンダ付けします。この行程で相方が決まります。
途中段階で様子を見るときは、いつもきれいな手で作品のロウを手ぬぐいでよく拭きとり、洗ってさらに乾かして同じ状態にしてから全体の調子を見ます。
そして、蓋にピッタリ合うようにクリ道具を使ってふくらみをつけます。「クリ」の頂点の部分を蓋の方にやるか、微調整をして硬さを決めます。
最後に組み立てたところを離れないようにもう一回ハンダ付けをし、底のブリキを中に入れておおよそでき上がりです。

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(7)磨く

研磨を行います。磨く道具は昔はモーターでなく足踏みでした。「砥の粉」と「種油」を付けながら磨いていきます。磨き過ぎず油を残さず微妙な力加減で磨きます。簡単なように見えますが、手元に神経を集中し磨き上げるタイミングを見極めるところがポイントです。

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(8)仕上げ

全部磨けたら、最後に中蓋を入れ、中蓋の柔らかさを調整し、蓋がすーと落ちるか確認してでき上がりです。

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